海外不動産投資のデメリット

今回は海外不動産投資のデメリットについて考えてみたいと思います。すでに投資済みの方もいらっしゃるかと思いますが、改めてメリット・デメリットを見つめなおし、当初購入した理由と現状をあわせて今後の運用方針を見つめなおしてもらえたらと思います。

 

海外不動産投資のデメリット

カントリーリスクや通貨リスク

海外不動産投資のメリットとして挙げさせて頂いた、日本の災害リスクや日本円の通貨リスクといった要因は、日本だけではありません。当然、投資先の国にも災害や、経済、政治といったカントリーリスクが存在します。

タイでは2011年にあった洪水や2014年にあった大規模デモでしょうか。フィリピンは台風や地震といった天災が比較的多くあります。

また、その国で何かが起こることにより、通貨も上下動するため、投資物件は現地通貨建てで同額で売却できたとしても、日本に送金する際、大きく減ってしまったという、通貨リスクもあわせて存在します。

今回の大幅な原油の下落に付随する、マレーシア リンギットの下落も1つの例としてあげられます。

通貨リスクは、逆に日本円に対し有利な方向に動くこともあり、一概に悪い面だけではありませんが、不動産はほかの投資資産に比べ、流動性が低い資産であることもあり、為替が有利な時に日本円に戻そうとおもっても、なかなか、現金化して日本円に戻すといことがしずらい特徴があります。

 

工事遅延リスクや物件のクオリティ

2つめにあげられるのが、物件のクオリティや工事遅延のリスクが考えられます。

特に東南アジアの新興国では、工事そのものが1年単位で遅れるのが当たり前、長いものでは2-3年の遅延をしているが、まだ竣工しないといったものもあります。

また、工事の技術や、工事監理の手法も日本に比べ劣っている国が多いことから、完成しても水回りに欠陥がある、窓から雨漏りするなど、日本の新築物件では考えられないような出来栄えの物件も多々、見受けられます。現地の人が住むことを想定した物件であれば、現地クオリティでも問題はないのかもしれませんが、日本人をはじめとした駐在員に賃貸することを想定した物件で、クオリティが低い物件では、なかなか賃貸にまわすことも難しくなります。

 

不動産関連の情報取得が難しい

3つめにあげられるのが、購入する(した)物件に対する正確な情報取得が難しいことがあります。

まず、物件が海外にあるということで、気軽に見に行くことができる場所にありません。また、それぞれの国の言語があるため、気軽に不動産業者をまわり、情報収集をすることが難しい方がほとんどかと思います。またインターネットなどで、情報を探そうとしても、東南アジアでは日本のように不動産サイトが充実していない国がほとんどです。

結果、管理を依頼している会社からの一方的な情報に頼らざる得ない状況になってしまっている方が多くいらっしゃると思います。

 

海外不動産の流動性の低さ

特に新興国の海外不動産は、日本に比べ流動性が低い傾向にあります。

発展途上ということもあり、新しい物件がどんどん立ち上がってきます。購入者も新しい物件の方に魅力を感じることが多く、なかなか中古のマーケットが発達していない国が多いのが実情です。

大きな資産のうちの一部を海外不動産投資に回した方であれば、大きな問題ではないと思いますが、資産の大半を海外不動産に投資してしまった方には、売却したいのに、なかなか売却できないという流動性の低さ、換金性の低さは、大きな問題になりえます。

 

まとめ

カントリーリスクや通貨リスクは、日本の災害・リスクを避けた結果、工事遅延やクオリティのリスクも、得られる可能性のあるキャピタルゲインとのトレードオフと考えて投資をされた方、また投資を考えられている方が多いと思います。

海外不動産に投資をするにあたっては、より多くの情報を得られる環境を整えてから投資をされることをお勧めします。具体的には、より情報が多く、信頼できると思われる不動産業者から購入すること、またその会社以外の不動産業者からも現地の情報を得ることができるコネクションを用意しておくことなどが考えられます。

日本の不動産においても、ほかの株や債券といった資産に比べ、不動産は流動性が低いことから、余裕をもった金額を海外不動産投資にまわすことをお勧めしたいと思います。

 

海外不動産投資のメリットについてはこちらをご参照ください。