インドネシアの不動産:コロナウイルスにより外国人の不動産所有に関する規制が緩和!?

まだ法律施行前で未定なところもあるようですが、コロナウィルス感染拡大の影響により低迷した経済を回復させる1つの施策として、インドネシア不動産への外国人規制が緩和される方向というニュースがありましたので、ご紹介頂きます。

インドネシアは、東南アジア各国の中では、外国人が不動産を取得するにあたり最も厳しい制限を課していた国です。
外国人は土地だけでなく、コンドミニアムであっても所有権を取得することができず、20-30年の長期リース制度を利用し、実質的な保有・投資をせざる得ない規制となっていました。

 

コロナウイルスにより外国人の不動産所有に関する規制が緩和!?

外国人の資産所有規制を緩和する動きは、業界とエンドユーザーに歓迎されている。
Agrarian and Spatial Planning大臣のSofyan Djalil氏は2020年7月にインドネシアの資産家に向けてオンラインセミナーを開き、外国人に地元住民と同等の所有権を与える旨の新制度を発表して関心を集めた。
まだ施行はされていないが、パンデミック後の国家経済の回復に、外国人による不動産投資を活用して雇用創出を狙うオムニバス法が2020年10月に可決されており、注目が高まっている。

Seven Stones IndonesiaのTerje H. Nilsen氏によると、政府は憲法と土地分配法の効力が損なわれるため、外国人がインドネシア人と同等の自由保有権(インドネシア語ではhak milik)を有することを許可されないだろうと考えている。
ただし、この変更により外国人はHBG(Hak Guna Bangunan、「建設権」とこの記事では呼びます。)を使用して購入できるようになり、Nilsen氏はこれを「ゲームチェンジャー」、すなわち不動産市場を大きく変える要因、と呼んでいます。

「建設権」は、所有者のいない土地に最長30年まで建物を建設して所有できる権利で、最長20年間延長可能となるようです。

Terje氏は下記のように語りました。
「これは外国人がインドネシアに主の住居や、別荘を構えることを奨励することとなる。」
「特に現在では、ますます多くの人が自宅で仕事をするとき、素晴らしいライフスタイル、素晴らしい天気、広々とした屋内外の空間、そして低価格での食事や娯楽がある場所で働くことができるのである。」

「バリの自由保有価格は、何年にもわたって上昇した後、コロナウィルスによるパンデミックにより25%下落したが、それでも投資家は多くの地域を「高すぎる」と考えられている。」
「Tabanan地区、Amed地区、Ubud地区やその他の地域等の開発が進んでいない地域で、不動産を所有する外国人がますます増えてきている。」との見解を述べた。

これは、より良いインフラとより大きなコミュニティがあれば、現在外国人が好んで滞在・投資をするCanggu地区、Seminyak地区やBukit半島等の人気のある場所と同等、もしくはそれ以上の投資になる可能性を示唆している。

 

MotoGPによるバリ島とロンボク島に不動産投資熱が活発化

 

現在投資家を魅了している「エキサイティングな開発」の中には、2021年にLombok島のMandalikaで開催されるMotoGPインドネシアに向けてのストリートレースサーキットとインフラ建設が含まれている。
そして絵に描いたように美しいFlores島では、ヨット、フェリー、クルーズ船を出迎えるために大規模なマリーナの再開発を行う予定である。
Selo Groupの創設者兼CEOであるAndrewCorkeryは、今後の開発者とエンドユーザーに利益をもたらし、外国投資に長期にわたり良い影響を与えるだろう、と述べている。

インドネシアではSelo Groupリゾート利用者の40%は香港人が占めており、同社の新事業である建設場所を選ばないプレハブ式豪華なヴィラが、この島の魅力を高めるだろう。
管理された環境でヴィラの建設をプロセス通り進めると、風雨を避けつつ建設廃棄物を最小限に抑えながら、コストも抑えることが出来る、とCorkeryは説明する。

Selo Groupのヴィラは1平方メートルあたり650ドル(USD)から利用できる。(土地の所有権は含まれていません。)
現場での設置時間は、場所にもよるが、数週間で設置可能である。
同社はLombok島に2つのリゾート施設を建設中である。

(※日本では「プレハブ」=建築現場の事務所や屋外の簡易休憩所といった安っぽいイメージがあると思いますが、海外でいう「プレハブ」は材料を組み立てるだけで、家を建てる技法のことを指すため、日本人が想像する「プレハブ」と異なることが多いです。)

 

 

香港にオフィスを構える開発会社InvestIslandsも、Torok HillResortの地元バイヤーをターゲットにしている。
Lombok島の南海岸で行われるこのホテル開発プロジェクトは、最近PropertyGuru Asia Property Awardsに指定された。
1‐3ベッドルームの部屋があり、すべての部屋にプライベートプールがあり、インド洋の景色を眺めることができる
オプションは、屋内538平方フィートと屋外603平方フィートで構成される「グランピングユニット」(専用テントスイート)が98,000ドル(USD)から用意されている。
豪華なユニットは、屋内1,615平方フィートと屋外1,345平方フィートの3つのベッドルームで428,000ドル(USD)となっている。

同社で運営する「Luxuryestate.com」には、富裕層向けに、には、Bali島Canggu地区にある4つのベッドルームのビーチフロントヴィラ(882,500ドル(USD))、
Denpasar市の Seminyak地区に2つのプールと5つのベッドルームのフリーホールドヴィラ(1,841,400ドル(USD))、
Ubud地区で最大15人宿泊可能な10,760平方フィートの不動産(500万ドル(USD))など、多くの高級物件が掲載されている。

Cushman&WakefieldIndonesiaのマネージングディレクターであるDavidCheadleは、Lombok島、Flores島の西端にあるLabuan Bajo、さらにはPapua島のRaja Ampat諸島など、Bali島以外の観光地の最近の傾向について言及している。

「ほとんどの外国人は長期リース契約をするか、ノミニーを使って間接的に不動産を所有しているが、後者は法律で禁じられている。
観光地以外にも、ビジネスを営む外国人の中には、経済特区として知られるBatam島のhak pakai(借地権・使用権)を取得して住居を構えた者もいる。」
(【参照】使用権(HP: Hak Pakai)は、国が直接管理する土地、または権限のある当局によって権利を認める決定もしくは土地利用契約に規定された権利と義務を付与する人が所有する土地で、法の精神と条項に抵触しない限り、それを利用し、そこから生産物を収穫する権利です。)

しかし、首都Jakartaではコロナウイルスの影響により、住宅団地の売上高は2019年下半期と比較して20%減少した。
「同時期に行われた銀行の厳格な住宅ローン政策も、需要減少に拍車をかけた。」とCheadle氏は述べた。

コンドミニアムの売上高は前四半期比で17%減少したが、新規供給も少なかったため、累積売上高(および将来の販売前の供給)に対する影響は少なかった。
開発者が価格を維持するために、購入者に支払いスケジュールを緩やかにするなど、その他のプロモーションを実施しため、大きな落ち込みは抑えられた。

「パンデミックの影響として苦しんでいるのは、持ち家と賃貸コンドミニアムの占有率である。」とCheadle氏は述べていた。
契約満了と海外駐在員の帰国により、平均占有率は9月末までに45-50%減少した。

2020年前半に、Jakartaで新たに供給された住宅のほとんどは低・中価格から中価格帯のものであった。
「たとえば、BSD City、Lippo Village、Grand Wisataはすべて、この価格帯をターゲットにした、よりコンパクトな住宅の普及を促進した。
パンデミックが続く間、開発者はこのような手頃な住宅を発売し続けて欲しい。」とCheadle氏は述べた。

 

まとめ

本記事はこちらのニュースをもとに作成させて頂いております。

https://www.scmp.com/magazines/style/news-trends/article/3113611/indonesia-real-estate-covid-19-relaxed-foreign

インドネシアに投資をしたくても、外国人規制であきらめていた方も多いはずです。

コロナは投資にとっては価格下落や、規制緩和など良い側面も各国ででてくるかもしれません。