マレーシアのイスラム金融セクター市場が3兆リンギットへ
The Star Malaysiaでのイスラム金融に関する記事がありましたのでご紹介させて頂きます。
イスラム金融とは?
まずイスラム金融とは何か簡単に確認したいと思います。イスラム金融とは、イスラム教の教義に従った金融ともので、シャリアと呼ばれるイスラム教における規範に則した金融市場、金融商品のことを呼びます。
イスラム教では利子の授受、投機的取引、不確実な取引、禁避的行為(アルコール、タバコ、武器、猥褻物などを扱うこと)を禁止しています。
イスラム金融商品はそのような禁止行為を回避した形で作られた金融商品となっており、原油が高騰し、世界中にオイルマネーが流出した際、注目を集めました。
マレーシア クアラルンプールも金融都市化を目指していますが、近隣に香港、シンガポールといった確立された金融都市があるため、イスラム国としての国の特色を活かし、また近隣都市との差別化を図るために、マレーシア クアラルンプールでは、イスラム金融都市を目指した政策、開発を進めています。
マレーシア イスラム金融市場が3兆円へ成長
Busara Malaysiaの新しいチェアマンに就任したばかりのアブドゥル氏によると、マレーシアのイスラム金融セクター市場は2桁成長を維持し、2020年には3兆リンギットに達するという。
2020年3月現在、シャリアユニットトラストが全体の23%を占め、99億リンギットの純資産額となっています。
継続的なプロモーション活動により、幅広い投資家へのシャリアの意識を向上させ、イスラム金融業界に対し、広範な製品を提供するために、さらなる製品革新と開発を続けるとしています。
マレーシアはイスラム金融セクターで世界3番目の市場規模を誇り、マレーシア国自体も世界最大のスクークの発行主体となっています。
Busara Malaysia社の投資プラットフォームであるBusara Malaysia I は上場、取引、清算、決済、預託サービスをシャリア法に準拠された形で提供されており、2020年5月現在、上場企業932社のうち、732社がシャリア法に準拠しており、時価総額は1兆6000億リンギットと、時価総額の70%を占めています。
シャリア法準拠証券の1日の平均取引額は、28億リンギットと1日あたりの平均出来高でも70%を占めています。シャリア法準拠企業で構成されるFTSE Bursa Malaysia EMAS Indexは、2010年から2020年5月の間に約32%の成長をしています。
まとめ
マレーシアのイスラム金融市場の発展は、クアラルンプールの不動産市場にも大きな関連性をもっていると考えられています。トゥンラザク・エクスチェンジ(Tun Razak Exchange)はイスラム金融の金融特区として開発が進められており、HSBCやプルデンシャル(Prudential)といった大手企業の本社ビルが入居することも決まっており、クアラルンプール市内でも一番の注目が集められている開発計画になっています。
こちらの記事は以下のThe Star Malaysiaの記事を参考に記載させて頂きました。
不動産投資のコンサルティングを17年間、そのうち、7年間はタイ・マレーシア・フィリピンを中心に東南アジアを飛び回り、投資コンサルティング及び運用アドバイスに7年間携わって参りました。本サイトではその経験と、最新情報から皆様の東南アジア不動産投資に有用な情報を提供していきたいと考えております。