日系企業がのカンボジア進出を検討する理由とは?!

今日、製造業の企業をとし、カンボジアに進出をする、進出を検討している日系企業をはじめとする外資系企業はは少なくありません。
では実際にタイや、マレーシアといった東南アジア諸国と比べて、どのような点が外資系企業誘致における優位性なのか考えてみたいと思います。

 

カンボジアの賃金の低さ

初めに、海外進出にあたり最も注目される点は、賃金の低さがあげられます。

JETROの投資関連コストを参照すると、月額基本給は隣国タイの390ドルと比べても約半分の183ドル、その他、東南アジアの代表国マレーシアでは331ドル、フィリピンでは231ドル、ベトナム216ドルと比較しても安い水準でとなっています。カンボジアはASEANの中では高い経済成長率を誇り、最低賃金も年々上昇していますが、依然近隣諸国よりも低く、労働力のコストの面を見ると、カンボジアは大きな優位性があると言えます。

 

東南アジアの賃金比較

*Jetroの地域分析レポートより(https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/cbdf0cefc691ae25.html

 

カンボジアの立地的優位性

カンボジアはベトナムとタイに挟まれた立地条件から、南部経済回廊活用により、近隣諸国との水平分業をすることができると言われている。

特にタイとの関係性でいえば、タイプラスワンという分業体制の関係強化がなされており、賃金が高く、失業率が低いタイよりも、賃金も安く、若年層の労働力が豊富なカンボジアで生産の拠点を持ち、タイから半製品をカンボジアに持ち込み、完成品を再度タイに送り返すといった操業形態をもつ企業がカンボジアプノンペン近郊に数多くあります。

タイへの輸送の際に使われる国道5号線は2013年以降、JICA協力のもと道路拡張工事や整備が行われ続けています。その工事は2023年に完工を予定しており、整備完了時には2車線から4車線へと道路も拡張され、さらなる物流の円滑化が図れることが予測されています。

道路整備による物流の円滑化や輸送能力の強化は、このタイプラスワンの強化というカンボジアの強みにもより拍車がかかり、更なるカンボジアへの投資を呼び込み、雇用の拡大、そして経済の発展を後押しするという好循環が推測されています。

 

カンボジアの外資優遇政策

最後に外国直接投資の優遇政策に関しても東南アジアの他国に比べ優位性があげられます。

まず、カンボジアは外資100%で会社設立が可能という点は、外国に投資を検討されている経営者にとっても、有利な点となります。隣国タイではBIOという特別な許可を取らない限りにおいては、原則、タイ国内企業の合弁でしか法人を設立することができません。

また法人税に関しても投資額によって変動はあるものの、最大で9年間法人税が免税となる措置も導入されています。

さらに外国送金にかかる規制もなく、対内および対外直接投資、証券投資、対外借入・貸出、預金勘定取引、利子・配当・利益などの対外送金に関しては、特段の規制や許認可を得ることなく、海外に送金することができます。

 

※適格投資プロジェクト(QIP:Qualified Investment Projects):投資許可は投資家または投資企業に対して発給されるわけではなく、投資プロジェクトに対して発給される。投資許可を得たプロジェクトは適格投資プロジェクトと呼ばれ、優遇措置が自動的に付与される。

 

外資企業進出と不動産投資

以上の安価な労働力、立地特性(特にタイとの関係性)、国を挙げての外資誘致政策といった点で、カンボジアに進出を検討する企業は増えています。外資系企業進出により、雇用の増加、物価の上昇といった経済の好循環が期待され、不動産投資においても大きな魅力がカンボジアにはあると言えるかもしれません。