マレーシア コンドミアムの管理費滞納93%!?
マレーシアのコンドミニアムの管理組合に支払う管理費の滞納が問題としてあがっているようです。
コンドミニアムの93%がマンション管理費の滞納問題あり
2019年にストラタ管理裁判所 (TPS)から寄せられた苦情では、高層住宅の5,291件つまり全5,675件の内93%の高層住宅に維持費滞納問題が見られる。
これはストラタ管理裁判所(TPS)で最も高い数字だ、と住宅・地方自治省(KPKT)で住宅・ストラタ管理裁判所(Housing and Strata Management Tribunal)の副議長であるMohammad Khalid Ab Karim氏は Bernam国営通信で語った。
住民が管理費を支払わないと、高層住宅のエレベーターをはじめとした共用施設はメンテナンスをすることができず、故障し使い物にならなくなってしまうことが考えられる。
維持費滞納は通常、平均支払い額が月額RM30からRM200の中低価格層の住宅に多く見られる。
ストラタ管理裁判所(TPS)は150日以内に、5,675件のうち4,456件(全体の78%)を対処した。
“ストラタ管理裁判所(TPS)は裁判の150日後に裁決か判決をする予定だ。もしコンドミニアムの住民が維持費を支払わなかった場合、治安判事裁判所の建築協会(COB)に登録され、出頭命令、法の執行や動産の競売等の措置を講じられるようになる。”とMohammad 氏は言う。
2013年のストラタ管理裁判法(Strata Management Act)に基づき、規定期間内に延滞金を支払わなかった者には、3年以下の懲役とRM5,000の罰金が課せられる可能性があるとBernama国営通信は報告した。
“建築協会(COB)は家の中の物品や動産を押収することも出来る。記録によると、この段階で法的措置が行われることはあまりなく、通常は法廷で裁判にかけられる前に未処理分は解消される”と彼は述べた。
住宅・地方自治省(KPKT)サービス部門大臣のMohd Syaifulrizal Abu Bakar氏によると、住宅管理機関は居住者に費用を確実に支払ってもらうことに加え、他者と資産を共有する責任を自覚してもらうための政策を講じるべきだと述べた。
もし居住者に帰属意識がなければ、住宅管理機関が共有資産を管理する上で果たす役割や責任について理解したり支援することはないだろう。最終手段として法的措置が講じられることになる、と彼は言った。
管理部門は財務管理について透明性をより高め、住宅・地方自治省(KPKT)が制定したガイドラインに基づいて開発を進めるべきだと、Mohd Syaifulrizal氏は付け加えた。
料金の割合も現在の状況と居住者の財力に基づいて、改定すべきである、とMohd Syaifulrizal氏は述べた。
日本のマンションの管理費問題との比較
日本でもマンション管理費の滞納問題が問題となりつつあります。
とはいえ、平成30年で滞納があると答えた管理組合の割合は24.6%と、マレーシアの93%という数字がいかに大きいかご覧頂けると思います。
滞納問題に対して、日本では管理組合が主導となって、少額訴訟や差押えといった手続きを行う必要があります。
それに対し、マレーシアではストラタ管理裁判所や治安判事裁判所の建築協会といった組織も積極的に回収に協力してくれるようです。さらには罰金や懲役刑まであるということなので、回収についても厳しい姿勢が見受けられます。
まとめ
この記事は以下の記事を参考として執筆いたしました。
この記事によると比較的管理費が安いコンドミニアムでの滞納が多いようで、日本人の方が投資しているような高級コンドミニアムでは、まだ割合としては少ないのかもしれません。
マレーシアのコンドミニアムでは、セキュリティガード、プール、フィットネスジムはあたりまえ、サウナ、テニスコート、スカッシュコートなども備えているコンドミニアムも少なくありません。そのような高級コンドミニアムにおいても、管理費は1か月あたり2万円程度(150㎡程度のお部屋を想定)と日本の管理費と同等程度の金額となっています。いくら物価が安いとはいえ、管理組合が十分な収入を得ているとは言い難い状況です。そこに滞納の問題も加わると、管理組合の運営がさらに厳しくなることが予想されます。
また、賃貸需要が低く、全体的に稼働率が低いコンドミニアムについては、滞納するオーナーの割合は増えてくると考えられ、管理組合の運営難、共用施設の劣化と、賃貸、売却価格にも影響がでるような問題が発生してくるかもしれません。
不動産投資のコンサルティングを17年間、そのうち、7年間はタイ・マレーシア・フィリピンを中心に東南アジアを飛び回り、投資コンサルティング及び運用アドバイスに7年間携わって参りました。本サイトではその経験と、最新情報から皆様の東南アジア不動産投資に有用な情報を提供していきたいと考えております。