首都プノンペンと観光名所シェムリアップを投資観点で比較してみる

アンコールワット遺跡がある街、シェムリアップ。今回はシェムリアップへの投資の魅力を、カンボジア首都プノンペンと比較して検討してみました。

 

カンボジアの首都プノンペンの特徴

首都プノンペンはカンボジアで最も人口の多い地域で、海外のディベロッパーも数多く投資しています。
コンドミニアムも数多く建設されていますが、オフィスビルや鉄道、ショッピングセンターも開発されています。
地価も年々上昇し、物件価格や賃料も上昇しているエリアです。

 

また、プノンペンには2つのカジノもあり夜の街も賑わっています。
メコン川支流のトンレサップ川沿いの繁華街では、毎日現地人や欧米人、アジア人が多く集まり、朝まで賑わいを見せています。

 

一方、居住エリアに人気のボンケンコン地区には大使館が多く、川沿いとは違い落ち着きを見せています。
外国の駐在員が多く、少々敷居の高い高級レストランや、外資系の飲食店が軒を連ねているエリアです。
深夜にはほとんど人通りがなくなり、静かな環境で、居住地としての人気があるエリアとなっています。

 

 

アンコールワット 観光地シェムリアップの特徴

シェムリアップというと場所がどこにあるのかわからない方も多いかもしれません。アンコールワット遺跡のある場所といえば、名前は知らない方はいらっしゃらないのではないでしょうか。

 

2019年トリップアドバイザー調べによると、日本人に人気の観光スポットランキングで見事1位になっている遺跡です。
お隣タイではアユタヤ遺跡や、ワットプノン、マレーシアではペトロナスツインタワーなど有名な観光スポットがある中、また、ヨーロッパ諸国にある宮殿や、アフリカ大陸にあるピラミッドなどを抑えての1位です。
それほど日本人にとっては馴染みのある地域の名称がシェムリアップです。

 

観光地のため首都プノンペンと違い、ホテルが多く、オールドマーケットやナイトマーケット、パブストリートといった観光客を楽しませてくれるエリアもあります。
首都プノンペンは駐在員が多いですが、シェムリアップは観光客が多く、滞在している人達の目的が首都プノンペンとは異なります。

 

さて、以前は首都プノンペンにおける投資の可能性を紹介しましたが、はたしてシェムリアップは投資に魅力のあるエリアなのでしょうか。

 

 

経済の中心地首都プノンペンと観光の中心地シェムリアップの違い

まず初めに経済の中心地にて投資物件を探す際、注目するポイントは居住用としての需要になります。
一方、シェムリアップのような観光地ではホテルのような物件のニーズが高いです。

ではそれぞれメリットデメリットを考えていきます。

 

居住用の物件のメリット

居住用の物件の最大のメリットは、長期的に賃貸してくれることで、安定した収入を得やすいことです。
1年間継続して借り手がつけば、収入の安定が測れます。

 

ホテル物件のメリット

居住用の物件と比較した際に、ホテル物件は長期間の借り手はつきにくいですが、1ヶ月稼働した場合、居住用の物件よりも高額な収益が見込めます。結果的にホテル物件の方が利回り率が高くなる可能性もあります。

 

居住用物件のデメリット

居住用の物件でのデメリットは、管理や修繕の面でホテル物件と違いが生まれます。
海外の物件は日本の物件と違い、粗雑な作りの物も多く、電気系統や水道関係の不具合も起こりやすいです。
これにより思わぬ修繕費がかかる上、対応が遅くうまくいかないことも考えられます。

 

ホテル物件のデメリット

ホテル物件のデメリットは物件の管理をホテル側がしてくれる分、管理費が居住用の物件より高くなる事が多いです。
ただし、突然修繕費が発生したり、対応が遅くうまくいかないということは避けられます。

 

以上のように居住用とホテル物件のメリットとデメリットを比較してみましたが、シェムリアップでホテル物件に投資をする魅力があるのでしょうか。
シェムリアップの今後の開発も踏まえ魅力を紹介していきます。

 

 

シェムリアップへの都市機能拡充計画

カンボジア政府は首都プノンペンに偏っている都市機能を、観光地シェムリアップにも広げていく計画をしているようです。
カンボジアの有力紙プノンペンポストによると、2023年に新しいシェムリアップ国際空港が完成する予定です。空港はシェムリアップの街の東側エリアに2019年から建設中で、施設に約8億ドルの費用が投入されています。
この空港開発により、観光客の更なる流入はもちろん、外資系企業の流入も見込まれます。

 

加えて、さらなる観光地化の方向でも動きがあります。
現地紙クメールタイムズによると、カンボジア、日本そしてアメリカの投資家らにより、水族館が建設されているとのこと。
敷地は約100ヘクタールを占め、投資額は約80億円規模になります。

アンコールワットなどの遺跡群観光は大人が楽しむもので、子供にとってはどこか退屈な場所でしたが、水族館の完成により、家族旅行の目的地としての選択肢が1つ増えそうです。

 

以上のように、もともと観光地として大きな魅力をもつシェムリアップに、様々なインフラ開発がされることで、不動産価格の上昇も期待できるといってよいでしょう。
個別の物件の立地や建物の出来上がりにも、気をつけながら、シェムリアップでの投資を検討頂いても良いチャンスかもしれません。