タイのコンドミアム市場 加速する割引競争
本日はインターネットで面白いコンドミニアムの広告をみつけましたので、ご紹介させて頂きます。こちらのコンドミニアムはバンコクのスクンヴィットエリア、エカマイ駅近くに新しく建設されるコンドミニアムの広告です。
コンドミニアム30年保証
なんと、コンドミニアムの瑕疵担保責任が30年という長期の保証を謳い文句に販売がされているコンドミニアムを見つけました。そのコンドミニアムは「MULBERRY GROVE SUKHUMVIT」という高級コンドミニアムで、日本人駐在員も多いスクンヴィットエリアのエカマイ駅近くに建設されるコンドミニアムです。完成は2021年とプレビルド(工事完了前に販売する手法)で販売されており、このコロナウィルス感染拡大による、緩い不動産市況の中、積極的な販売活動をしているプロジェクトとなります。
別の記事でもご紹介しましたが、タイ・バンコクのコンドミニアムは、完成在庫をともに、Sansiri(サンシリ)やSansiri(サンシリ)、Ananda(アナンダ)、Noble(ノーブル)、Major(メジャー)といったタイの大手デベロッパーを筆頭に熾烈な値引き合戦を行い、在庫一掃を目指し販売されているような状況です。
様々なデベロッパーによる値引き合戦については、以下の記事でとりあげています。
そのような状況の中、不運にも販売時期を迎えてしまった、「MULBERRY GROVE SUKHUMVIT」。平米あたりの単価は約25万バーツ~、早期購入割引として4%と、大きく値段は下げていませんが、何とも大胆な「30年の瑕疵期間」という、ある種の割引で客引きを行っています。
瑕疵担保期間とは、販売主であるデベロッパーが、無償で修理等を行う期間のことを意味しています。建築技術が進んでいる日本のマンションですら、10年の瑕疵担保期間となっており、タイでは躯体等主要部分においても2年間の瑕疵担保期間が一般的です。そのような中、30年の瑕疵担保期間とは異常ともいえる長さといえるでしょう。
販売主のMQDCはタイでは比較的大きな不動産会社と言われており、その責任を履行してもらえる可能性もあるとも考えられますが、30年となると、リーマンショック、コロナショック級の経済不況を3回ほどあった後まで保証期間が続くこととなります。(あくまで約10年に一度そのような経済危機があるという前提ですが。)
また、日本のマンションにおいては、給排水管、屋上防水など比較的大きな修繕項目が30年という期間の中にははいってきますので、それなりの資金負担を伴う瑕疵担保保証といえるでしょう。
まとめ
このコンドミニアムの販売手法をみても、バンコクの新築コンドミアムの販売市場が、かなり厳しい状態であることを示唆していると考えています。入国も制限されている中、視察にタイに入国すらできない状態ではありますが、もしタイへの投資をお考えの方は買い時ともいえるのかもしれません。
こちらのコンドミアム「MULBERRY GROVE SUKHUMVIT」にご興味ある方は、以下が本プロジェクトの公式ページとなります。
https://mqdc.com/our-business/discover-project/mulberrygrove/sukhumvit
瑕疵担保保証だけでなく、場所も有名インターナショナルスクールにもほど近く、人気のエカマイ駅徒歩圏のプロジェクトとなります。また、完成後にはコンシェルジュサービス、無料アフタヌーンティーといったサービスも付帯するそうです。
一方、コンドミアムの売却を考えられている方には、あまり良いニュースではないかもしれません。賃貸市場も、新規に赴任する駐在員すら、タイへの入国が難しい中、なかなかテナントがつきづらい、難しい状態が続いておりますが、一旦、現在は様子をみる時期となるかと考えています。
不動産投資のコンサルティングを17年間、そのうち、7年間はタイ・マレーシア・フィリピンを中心に東南アジアを飛び回り、投資コンサルティング及び運用アドバイスに7年間携わって参りました。本サイトではその経験と、最新情報から皆様の東南アジア不動産投資に有用な情報を提供していきたいと考えております。