不動産購入活性化政策 DIBS解禁へ|マレーシア

2012年~2013年、日本人の方がマレーシアに投資をした際にあった不動産購入活性化政策のDIBSが、復活するというニュースがでていましたのでご紹介させて頂きます。

 

DIBSとは

DIBSとはDeveloper Interest Bearing Schemeの略です。開発前・開発途中にコンドミニアムの販売を開始し、また工事進捗に従った購入者の支払いがある、マレーシアの新築コンドミニアムの販売市場において、開発期間中の利息を販売者であるデベロッパーが購入者に代わり支払いをするという、いわゆる割引策を指します。

このDIBSという割引策がないと、ローンを借りて購入する方は、コンドミニアムが開発期間中で住むことができない、賃貸に出すことができない中でも、段階的に借りた(デベロッパーに向けて支払った)金額に応じて利息を支払う必要があります。

日本では完成時にローンを借りて支払い、すぐに入居や賃貸開始というのが一般的な流れとなるため、この割引策があることで、日本人にも違和感なく、マレーシアの不動産が購入されてきました。

また当然、マレーシア人にとっても、現在住んでいる家の賃料と、新しく購入するコンドミニアムの利息の2重払いは重く、この割引策があると、購入に向けて決断しやすくなる割引策になります。

 

DIBSが来年度予算盛り込みへ

メイバンク投資銀行は昨日の報告の中で、DIBS等のさらなる政策緩和策が2021年11月の予算で発表される可能性があると述べた。

プタリン・ジャヤにおける不動産開発業者は、建設業の正常化、政策緩和策、低金利環境の恩恵により、今年度の下半期における収益の向上が期待できる。

DIBSの下もとでは、開発業者は建設期間中、不動産購入者の住宅ローンに利子を支払うことが許可されている。
これは、先行投資のコストが低く抑えられ、より手頃なコストになることによって、買い気を持ち上げ、需要を促進することになる。

「我々のチャネルチェックによると、新しいDIBSは様々な行政機関や中央銀行の代表陣と会合しており、新しいDIBSの下では売り値はより透明性を帯びたものになると言われている。」

メイバンク投資銀行は、買い気を引き上げる政策には前向きだが、人員削減と廃業の増加、さらには競売物件の増加により、景気が大幅に低下する可能性があるため、景気刺激策の効果が抑えられる可能性があると警告した。

「今月末にある6か月ローンの一時猶予の終了は、より多くの事業閉鎖と競売物件の増加につながる可能性がある。」
不良債権が多くなるにつれ、銀行はより厳格な融資の対応をすることになり、それが今後の不動産の需要に影響を与える可能性がある。

地銀仲介業のアナリストは、住宅所有キャンペーン(HOC)が今年の残りの期間の不動産販売に拍車をかけると述べている。
「HOCはその販売を刺激し、物件をより手頃な価格にしながら、購入者にとって魅力あるものにしている。この傾向は2020年の残りの間も続くと予想している。」

政府は6月に短期経済回復計画(Penjana)に基づいてHOCを再導入した。
キャンペーンでは、300,000リンギットから2,500,000リンギットの間における住宅購入に対する資産の譲渡と借款協定の印紙税は免除されることになる。

一方、譲渡証書の免除は住宅価格の最初の1,000,000リンギットに制限されているが、2021年6月1日から5月31日の間に署名された売買契約の借款協定には印紙税の全額免除が与えられる。
さらに、政府は、2021年6月1日から2021年12月31日までの間、マレーシア人に対して最大3つの不動産を処分する際、不動産収益税の免税措置を発表した。

メイバンク投資銀行はこのセクターについて中立的な見方を維持しており、不動産株は引き続きニュースフロー主導型であると考えている。

「私たちの「買い」は、Sunway Bhd、SP Setia Bhd、Tambun Indah Land Bhdになる。
SPSetiaの2021年と2022年の収益成長は堅調であると共に、多様化した収益基盤であるSunwayを評価しているからである。」

 

まとめ

こちらの記事は以下の記事を参考に作成をいたしました。

https://www.thestar.com.my/business/business-news/2020/09/09/potential-new-dibs-boon

コロナウィルス感染拡大に起因する経済停滞の中で、不動産市場刺激策として、マレーシア政府は不動産売買にかかる印紙税の免税を2020年6月からスタートしています。それに加え、DIBSが復活となると、また海外からマレーシア不動産への注目が集まるかもしれません。