マレーシアでのコンドミアム投資 | 不動産の売却収入と税金

今回はマレーシア不動産の売却収入かかわる税金についてまとめていきたいと思います。

 

こちらも賃貸収入と同様、マレーシアでも、日本でも税金を申告し払う必要があります。

またマレーシアと日本の租税協定が締結により、2重で税金を納める必要がない点も賃貸収入と同様です。

 

売却収入に関する税金@マレーシア

税金申告のステップ

賃料収入でも、売却収入でも以下のステップはかわりません。

ステップ1. 不動産をお持ちの国での申告

ステップ2. 日本での申告

ステップ3. 日本での 外国税額控除 (正確にはステップ2.と同時です)

 

ステップ1:マレーシアでの申告

マレーシアの売却課税は、売却「益」課税です。売却益課税とは、わかりやすくいうと、売却利益が出た場合、もうかった場合のみ税金を支払う必要があります。

税率は保有期間により2段階に分かれており、保有期間が5年間までは、売却収益の30%。それ以降は10%となります。少し細かい話になりますが、保有期間の判定には、外国人が不動産を保有するして良いと許可を受けた日( State Authority Consent と呼ばれています。)からカウントされるため、実際の竣工以降の賃貸をしていた期間より長い保有期間が一般的に認められます。(建設期間中も所有期間とカウントされるためです。)

売却あたりに認められる経費ですが、マレーシア国内で支払った仲介手数料や弁護士手数料は当然、経費として計上が可能です。ただ、マレーシア国外で払った手数料、特に購入時に支払った日系の仲介会社に日本で払った手数料、は経費として認められないことがあります。申告することはできますので、申告してダメならステップ2の日本での申告時には忘れずに、経費として申告するようにしましょう。

また、実際に購入されている方の中にはよく覚えていらっしゃらない方も多いのではないかと思いますが、マレーシアでは「リベート」と呼ばれる割引があり、実際の購入価格(実際の支払い額)よりも5‐10%高い価格での売買契約書(購入時)が締結されていることがほとんどかと思います。リベートによる少し高い売買契約書のおかげ、現状のマーケット価格も踏まえますと、マレーシアで大きな売却課税がなされるということは、あまり多くないように思います。

 

ここで注意点があります。

売却益課税は買主との売買契約書締結後、残代金決済前に、売却価格の2%を源泉納付するのが原則になっています。ただ、損することが明確な場合には、源泉納付を回避することができるという例外もあります。

源泉納付をされてしまった場合、しつこく税務署に問い合わせをしないと、還付金がある場合にも、還付してくれないことがあります。売却損失が発生する場合には、できる限り源泉納付をしないようにしましょう。

2つめは、同じように還付を申請した際、売却価格が安すぎると否認されることがあります。本当に第三者に売却したにも関わらず、家族など関係者に売ったのでは?なんて難癖をつけられたりすることがあります。難癖をつけられてしまうと、反論するのも大変です。こちらに関しても、売却損失が発生する場合には、できる限り源泉納付をしないようにしましょう。あとから取り戻すのは、なかなか大変です。

 

ステップ2. 日本での確定申告

売却収入に関しても日本に居住する日本人の方は、日本でも申告する必要があります。日本での申告は短期譲渡(5年以内の所有)で約40%、長期譲渡(5年超の所有)で約20%が売却益に対してかかります。

保有期間の算定については、1月1日を基準にカウントされますので、実際は5年を超える保有の場合にも、短期譲渡となってしまうこともありますので、お気を付けください。

 

ステップ3. 外国税額控除

ステップ2. の確定申告の際にあわせて申告してください。マレーシアの売買取引では、売主が売却利益課税以外の税金を支払うことはまれですが、印紙税など別の税金を支払ったような場合には、税額控除ではなく、売却必要経費として所得から減算する税金がありますので、注意が必要です。

 

売却にあたってのマレーシアの税金と、日本の税金についておおざっぱにご説明いたしましたが、実際の申告の際には、各国、日本の税理士さんとも改めて確認の上、申告頂くようお願い致します。

 

マレーシアでの賃貸収入に関する税金についてはこちらをご参照ください。

タイでの賃貸収入に関する税金についてはこちらをご参照ください。