フィリピン 銀行は貸出額 5カ月連続増加 【フィリピン景気関連ニュース】

PhilStarによるとフィリピンの銀行の貸出額が5カ月連続で伸びているとのニュースがありました。不動産の価格と銀行の融資姿勢は大きな関連性があるので、こちらのニュースも確認してみたいと思います。

 

銀行は貸出額 5カ月連続増加

Babgji Sentral ng Pilipinas(以下BSP)によると、2020年3月の融資額は2019年3月に比較し12.9%の増加、9兆3,500億ペソに達したという。2020年2月にも前年同月比で12%の成長をしたばかり。
原因は2019年後半に政策金利とリバースレポレートを引き下げたことや、インフラ関係のプロジェクトの支出が要因となっているという。BSPにより2019年5月から2020年4月の1年間で金利は2%、預金準備率は6%も引下げられると、フィリピンは金融緩和政策をとってきました。ただ、4月以降はロックダウンの影響もあり、融資額は縮小に向かう可能性があるともみられている。

 

ローンの内訳として、卸・小売関係業種が前年同月比6.8%の伸び、製造業関係が0.4%の伸びにとどまっている中、不動産セクターへの融資は前年同月比22%増加し1.7兆ペソ、融資額全体に対する比率で18.4%となっている。クレジットカードローンや自動車向けローンの伸び率は減速してきているという。

 

まとめ

本記事は以下の記事を参考にとして作成しています。
https://www.philstar.com/business/2020/05/13/2013556/bank-lending-grows-5th-straight-month

こちらの記事でもご紹介したとおり、コロナウィルスの影響前でいうと、フィリピンの不動産マーケットはアップトレンドが続いており、上記の不動産セクター向けローンの多くは、建設途上のコンドミニアムのために、開発会社向けに融資されたローンが主と考えられます。

本ニュースは、フィリピンの金融緩和、インフラプロジェクトへの投資など財政支出による、融資額の伸びを示すニュースであり、主にコロナウィルスの影響を受ける前の経済状況を映したものと理解しております。