タイでコンドミニアム投資 | 物件売却の流れ・手続きを解説

タイにコンドミニアムを購入し賃貸されている方の中でも売却を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

タイの物件を売却するにはどのような手続きがあり、どれぐらいの時間がかかるのかご存知でしょうか。こちらではタイの物件を売ろうと思ってから、現金として帰ってくるまでのプロセスについて解説したいと思います。

 

まず、最初に売却手続きのそれぞれのステップとなります。

タイの物件売却は3か月程度と、比較的日本と同じぐらいの期間で売却が完了します。

 

タイでのコンドミニアム・不動産売却の3つのフェーズ

1.  買主探索フェーズ

  • 売却価格を決定する
  • 仲介会社に売却依頼する
  • 仲介会社にて募集と内覧手配

 

2. 契約手続きフェーズ

  • 買付申込書(Letter of Intent )へのサイン
  • 手付金の受領
  • 売買契約書締結と契約代金の受領

 

3. 契約後決済フェーズ

  • 所有権移転登記に必要な書類準備
  • 決済・代金受取

 

フェーズ1:買主探索フェーズ

こちらのフェーズは日本やマレーシアでの取引と近しいところも多いため、簡単にご説明させて頂きます。

より詳しい説明については以下の記事をご参照ください。

「マレーシアでコンドミニアム投資 | 物件売却手続きを解説」

 

ステップ1:コンドミニアム・不動産の売却価格の決定

こちらのステップで大事なことは2つです。

1.明確に価格設定をする。

「良い値段なら・・・」、「高く売れるなら・・・」といったあいまいな売却依頼を出すのではなく、明確に値段を決定し仲介会社や管理会社に依頼するようにしましょう。

2.価格設定は売却活動期間との兼ね合いで決める。

当たり前の話ではあるのですが、早期の現金化を求めるのであれば、値段は安く、また高く売りたいということであれば、一定の活動期間は想定すべきとなります。近隣のコンドミニアムや、特にご自身がお持ちのコンドミニアム内での売却にだされているお部屋の値段を確認しながら、程よい値段設定を探してください。管理会社や仲介会社に依頼することで、提案をもらえるところも多いと思います。

タイ・バンコクの不動産売却情報は下記のようなサイトで、売却情報を確認することができます。こちらはすべて売却希望値となりますので、成約価格は全体的に1割ほど低い値段かもしれません。

Hipflat:https://www.hipflat.co.th/ja

 

 

ステップ2:仲介会社へ売却依頼

タイ、特にバンコクであれば日系の管理会社や仲介会社で、日本語で対応してもらえる先も多いと思います。

できる限り多くの仲介会社と連携して売却活動を行ってもらえる先に依頼をするようにしましょう。ステップ1の売却価格の提案をしっかりと行ってくれる先に依頼するのも1つの選び方かと思います。

 

 

ステップ3:仲介会社での募集手続き

ステップ2で依頼した管理会社や仲介会社の活動期間となります。

オーナーとしては特にすることはありませんが、月に一度程度は、売却を依頼している会社に問い合わせや内覧の状況を確認し、価格を調整することも行った方がいいでしょう。

 

 

フェーズ2:コンドミニアム・不動産の契約手続きフェーズ

こちらでは具体的な買主が見つかった後の契約手続きについてみていきたいと思います。

タイのコンドミニアム・不動産の売却手続きは比較的シンプルで、日本と大きな差はありません。悩ましいのは契約書がタイ語ででてきてしまった場合ですが、日系の仲介会社や管理会社に依頼する場合には、英語の契約書となることがほとんどです。

 

ステップ4:買付申込書

買主候補が見つかると仲介会社から、 Letter of Intent (買付申込書兼売渡証明書、通称、LOI)という書面が送られてきます。買主候補がこの金額で購入したいという希望の申し入れと、売主からのその価格で売却します。という簡単なお約束の書面になります。パスポート番号と署名をして送り返すのですが、ここで確認しておきたいのは以下のような点です。

・(当然ですが)価格

・売買代金を支払うことができそうな人かどうか(ローンでの調達含め)

・手付金の金額(通常、売買代金の2‐3%もしくは10万バーツなど定額)

・売買契約に至らない場合の手付金の返金条件(通常、手付金は100%没収できます)

・ローン特約(買主がローンを受けられない場合の無償解除特約)の有無(売買契約前であれば無償解除もありえます。)

・取引にかかる税金の負担(タイで通常、売主・買主どちらが負担するのかという決まりがないので、確認が必要です。取引に必要な税金は、「源泉所得税:約2‐3%」、「特別事業税:3.3%」もしくは「印紙税:1%」と「登録免許税:2%」の3種類となります。)

また、通常、LOIとともに仲介会社との媒介契約にもサインをすることになりますので、

・仲介手数料の料率と金額

・代金決済に至らない場合の料率と金額

・仲介手数料の支払い時期

も確認してください。

タイでは、売買が比較的短期に完結すること、弁護士を利用せずに取引することが多いことから、仲介会社は代金決済まで、フォローをしてくれるのが通常です。ただ、売買契約が代金決済前に解約になってしまうケースもありますので、その場合の支払い金額はこちらで確認しておきましょう。

 

ステップ5:手付金の受領

タイでは手付金は売主の口座に振込や小切手で支払ってくれることが通常です。タイに口座をお持ちでない方は、管理会社や仲介会社の口座に代わりに受領してもらうことになるかと思います。

 

ステップ6:売買契約の締結と契約代金の受領

売買契約は通常、仲介会社がフォーマットに従い作ってくれます。

契約書作成もあまり時間がかかることはなく、1‐2週間程度でしょうか。

売買契約書サイン前に確認したいのは、LOI締結時に確認した内容に加え以下のような点となります。

・解約条件(通常は契約金の放棄、売主は契約金の倍返しで解除可能)

・瑕疵担保責任(何か壊れたいた、数か月後に何か破損した場合のお約束。できれば「なし」で押し通したいところです)

・ローン特約(ローンの承認がおりてから売買契約をすることが多いですが、ローン特約をいれて、ローン承認前に売買契約を締結することもあります。)

 

売買契約書のサインは、対面でも、郵送でも対応が可能です。マレーシアと違い簡単で良いですね。

 

また、売買契約書へのサインと並行して、契約代金、通常、売買代金の10%の受領も行います。こちらも売主の口座に振り込まれることがほとんどですが、タイに口座をお持ちでない方は、管理会社や仲介会社の口座に代わりに受領してもらうことになるかと思います。

 

この10%は手付金として受領している2‐3%を含む10%となりますため、このタイミングでの受け渡しは7‐8%となります。このあたりで一定の仲介手数料を仲介会社に支払う取引が多いため、売主から支払われる7‐8%のうち、1‐2%が仲介会社宛てに振り込まれる、もしくはご自身で仲介会社にお支払いすることが必要となるケースが多いです。

 

フェーズ3:(契約後決済フェーズ)

最後に売却にかかわる契約締結後、売却代金を受け取るまでのフェーズを確認していきたいと思います。

タイもしくは、タイ大使館に一度足を運ぶ必要がありますが、基本的には問題がないことを祈りつつ、買主の資金支払いを待つことになります。

 

ステップ7:所有権移転登記に必要な書類準備

タイの物件の取引で一番大変なところでしょうか。所有権移転登記にあたり以下の方法があります。

・ご自身でタイの法務局に手続きに行く

・代金決済の1か月前あたりで、一度タイに行く

・日本から仲介会社に委任状を渡し、代行してもらう

 

ご自身で法務局に行くのが必要書類は一番少なく済むのですが、買主や、買主が融資をうける銀行と日時を調整する必要もありますので、日本にお住まいの方はあまり現実的ではありません。

 

ご自身で法務局にいかないとなると、仲介会社に委任状をだして、代行をお願いすることになるのですが、なんとその委任状にも制約があります。

タイ国内で決済日より1か月以内(法務局、法務局の担当によりますが、だいたい1か月です。)にサインをされたものか、タイ国外でサインをされたものは、公証人役場での公証&タイ大使館での認証が必要になります。タイ国内でサインをしたことを証するために、パスポートに押された入国スタンプページのコピーも必要となります。

現実的には委任状を公証&認証を行い、提出する方が多くなるかと思います。仲介会社が日系の会社であれば、手続き方法をご存知かと思います。お困りの場合には当サイトにお問い合わせ頂ければと思います。

 

ステップ8:決済・代金受取

買主での資金準備、ステップ7の書類準備が整うと、物件の名義変更と代金受取手続きがはじまります。ご自身で法務局に行かれる方以外は仲介会社任せとなりますため、売主として何かすることはありません。

これでタイの物件の売却手続きが完了しました!

 

タイの売却収支に関する税金はタイでコンドミニアム投資 | 物件売却手続きを解説 をご参照ください。